熊本県立人吉高校同窓会「近畿繊月会」
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第21回定期総会のご報告
平成28年度の近畿繊月会総会は、会場を大阪に戻し平成28年2月21日(日)北区・天満の「帝国ホテル大阪」で会員等59名が参加し盛大に開催されました。その状況につきまして下記のとおり報告致します。
□開会司会:蔀 義規(定19期)
会式の辞坂田征機副会長(14期)が開会の挨拶
黙  祷この1年間に物故された小川正則(8期)、深松 司(9期)両氏のご冥福を祈り全員で黙祷を捧げました。
第1部  講 話
ふるさと講話「初春の頃のふるさと行事〜しゅんなめじょと太郎づいたち〜」(要約)  
前田一洋氏(7期)
「旧暦でいうと今日は何日ですか?」との質問に誰もが答えられないなかで講話ははじまった。今日は旧暦でいうと1月14日、小正月のゴヤ(前夜)で昔は一番賑わった日である。旧暦(太陰暦)でいうと元日は新月で闇夜である。それに比べれば15日は満月、月は煌々と夜が明けるまで輝き続け一晩中外で活動できる。その意味において大正月より小正月の方が賑わったことが理解できる。
ところで、暦の変更、大隈重信ら明治政府は極秘裏に計画を進め明治5年11月9日、突然「旧暦明治5年12月3日を明治6年1月1日とする。」との太政官布告を出しました。これで大損をしたのが暦屋さん、出来あがっていた次の年の暦を印刷し直さなければなりませんでした。儲けたのは明治政府、うるう月が無くなり2日だけの12月も含めて2ケ月分も役人の月給を払わなくても済んだのですから。
今でもそうですが農作業や漁業には旧暦が重宝されています。旧暦の小正月の前夜(ゴヤの晩)は大変でした。ネムの木やカジの木で人形(しゅんなめじょ)を作りその着物に願い事を書いて、榎木の枝に餅を刺した花餅とともに床の間に置いた種籾の入った叺に立て豊作を祈願しました。夜には「大綱引き」や「相撲大会」、「もぐら打ち」があり子供達は村々の家を廻り庭のもぐら打ちをして褒美の餅を貰うのが楽しみでした。
旧暦2月1日は「太郎づいたち(朔)」と言って、子供たちに山や川に行ってはいけないと教えられました。それは、「やんかぶった(髪の毛の長い)」見知らぬ人が、ヒョーヒョーという声を出しながら、山の稜線や川端を大勢通って行くから、ということで。 この姿をさかのぼってみますと、内陸部に住む古代の人たちが塩を求めて海に行き、ワカメやヒジキなどの海藻を山のように背負って戻る様子であったことが想像されます。まだ製塩技術のなかった往時は、海藻を採って乾燥させた「藻塩」が使われていました。その海藻が最も大きく成長し、しかも海水が遠くまで退く大潮が旧暦2月1日ごろ、また聞こえてきた奇声は、裏声で犬を呼んだり、お互いの連絡をとりあった声だったのでしょう。 こうした年中行事だとか伝承は、一見“こども騙し”みたいな話のようですが、自然を敬い自然と共に生きてきた私たちの先祖、その生活の一端が投影されていることがあり、決して疎かにできないもがあるようです。
OB講話 「子ども被害情報の分析と安全対策について」  馬場政治氏(15期)
ちょうど15年前になりますが、平成13年6月8日に「大阪教育大学付属池田小学校」事件が発生しました。この事件に大阪府警少年課長として、対応いたしましたので、本日は、「子ども被害情報の分析と安全対策について」と題してお話させていただきます。
少子化が叫ばれている今日、子供を狙った犯罪が増加しています。警察庁統計資料(平成25年)によりますと、子どもが被害者になっておりますのは、全刑法犯被害の19、19%を占めております。
罪種別では、略取・誘拐(84、9%)、強制わいせつ(51、6%)、公然わいせつ(46、5%)、強姦(39、5%)、恐喝(38、6%)の割合が極めて高くなっています。
まず、学校内の事件といたしましては、平成11年に「京都市立日野小学校事件」、平成13年に「大阪教育大学付属池田小学校事件」、平成15年に「宇治市立宇治小学校事件」が発生しております。
これらの事件は、いずれも小学校1・2年生が襲われて被害に遭っております。
犯人は、「校門が開いていたので中に入った」、「先生に声をかけられなかった」などと供述しております。このようなことから「通学路での見守り活動」やさまざまな学校の安全管理への取り組みがなされ、学校の事件は減少しておりますが、その後平成20年を境に13歳未満の子どもの連れ去り事件が、増加傾向を示しております。
特に、平成26年は、子どもを狙った卑劣な事件が多発しております。
○平成26年1月27日 北海道札幌市内で小学校3年生の女児(9)が、26歳の無職の男に連れ去ら
れ、1週間にわたって男の住むアパートに監禁された事件
○平成26年9月9日 千葉県八街市の路上で帰宅途中の中学1年生の女子生徒(12)が若い男に刃
物を突き付けられて脅かされ、車で連れ去られた事件
○平成26年9月11日 神戸市の小学校1年生の女児(6)が行方不明となり、自宅近くの雑木林で遺
体で発見された事件
などが発生しております。将来を担います可愛い子どもたちが、健やかに成長できます『安全で安心な社会の実現』を願いまして、子ども被害情報(大阪府警察本部安心安全街づくりメールより)分析いたしますと、平成27年は1,841件、平成26年は1,542件、平成25年は1,729件となっております。
昨年は、一昨年より増加しております。
○天気別発生数は、晴の日が47%、曇の日が37%、雨の日が16%となっております。
○発生場所・時間別発生数をみてみますと
・小学校、幼稚園などから500メートル以内で、約95%が発生しています。
・16時(353件)をピークとして15時から18時の下校時間に多発しています。
・9時(154件)8時(81件))の登校時間にも発生しています。
○被害対象者をみてみますと 小学生女子(700件)、中学生女子(637件)、小学生男子(250件)と
なっています。
○犯人像は、30代が28,4%、40代が16,9%、20代が15,9%となっています。
○犯人の移動手段は、徒歩が49%、自転車が29%、車が9%、バイクが6%となっています。
子どもを犯罪から守る安全対策は、防犯カメラの設置や青色防犯パトロール、子どもに対する声かけ運動など、官民一体となった地域社会の防犯機能を強化していかなければなりません。
そして、子どもたちにも防犯意識を持たせるために、家庭や学校で、
「いか・の・お・す・し」
『いか』知らない人についていかない。
『の』知らない人の車には乗らない。
『お』大きな声をだす。
『すし』近くの大人にすぐ知らせる。
の安全標語に基づく、自分自身を守るための意識付けが必要です。
少年非行について簡単にお話いたしますと、「放任」と「過保護」で育ち、基本的な生活習慣ができていない傾向が見受けられます。
また、非行事案は、エスカレート型といきなり型があります。
このような少年を非行から立ち直させるためには、「相談」と「支援」が必要ですので、やはり少年非行の防止も社会的な取り組が何より重要です。
今、大阪で生活しておりますが、球磨郡の豊かな自然の中で育ち『人高』という素晴らしい学舎で学べましたことを誇りに思い、そしてお世話になっております近畿繊月会の皆様に感謝をしながら日々を過ごしております。
OB飛び入り講話「熊本・京都と夏目漱石」    村田洋一氏(4期)
没後百年、明治の文豪「夏目漱石」が朝日新聞の連載などで見直され話題となっていますが、私も3部作を読み直すなどして熊本でも教鞭をとっていた漱石の実像に迫りたいと思っております。どうしてあのような作中人物が登場しあのような展開になるのか、現在の若い人達には理解できないことも多く、もはや古典的存在となっているように思います。
漱石は江戸で育ち東京で学校生活をして松山や熊本の彼に言わせれば田舎で教師生活をしていますが、煮え切らない優柔不断の男、なかなか本心を明かさない女性の登場等、どうしてこのような思想行動の人物が登場するのか理解に苦しみます。後に新聞社に勤務するようになった彼は、持病の胃潰瘍をかかえ、時には神経衰弱になりながら幾度か京都にも来ています。その証拠に鴨川右岸御池大橋のたもとに彼の和歌の石碑が建てられているのですが、私の研究によれば、この歌は失恋の歌で京都のある女性に袖にされた時の漱石の心境が吐露されているもので句碑にするにはふさわしいものではないと思っております。
いずれにしましても、夏目漱石の研究を熊本滞在時を含めて難解なる「草枕」を通して深めていきたいと考えております。
■第2部挨拶・活動報告
会長挨拶会長 内田憲幸(10期)
若い人が少ないという少子高齢化社会の状況は、同窓会活動にも影響を及ぼしており近畿繊月会でも行動力のある若い人が少なく活動が停滞しております。しかしながら、先日人吉高校を卒業して京都府警察学校に入校中の後輩に出会いました。また、その前には機動隊の剣道場で元気に剣道の練習をしている人高卒という兄弟を発見しました。故郷志向の現在、郷里を離れる若い人は少ないと言われますが、多くの後輩が近畿地方に進学就職しているのは事実であります。こういう同窓生の発見に務め、魅力ある同窓会にして会員の拡大と会の活発化に努めて行きたい。
本部会長挨拶熊本県立人吉高等学校同窓会会長・理事長   鳥井正徳氏(9期)
鹿児島空港で飛行機に乗ろうとしたらプロペラ飛行機で驚いた。悪天候の中を低空飛行するので予想外に揺れほうほうの態で大阪に来た。高校創立90年事業の「同窓会グランド」も綺麗に整備され在校生はこれを有効に活用し各種クラブ活動に邁進している。しかしながら、在校生の減少が心配で、現在最高時の80%を切っている。生徒の減少は住民の減少の影響であるが、このままだと人吉球磨は消滅してしまう。ようやく人吉球磨が一体となった対策が動き出したが、郷里の人口の増加と発展に協力をお願いしたい。
本校副校長挨拶熊本県立人吉高等学校 副校長 永濱秀明氏(28期)
深水校長が急用で代わりに出席した。熊本県では昨年から副校長制度が取り入れられ教頭は副校長の下に本校担当教頭、定時制担当教頭、五木分校担当教頭が存在するようになった。私は大学卒業後大阪で9年間教員生活をしていたので大阪は懐かしいところである。
人吉高校は文武両道の学校で各種大会での成績も優秀であり進学率就職率も抜群である。国公立大学への進学者は3年続けて100人を越し熊本市内の一流校に伍して県下でも5本の指に入る。しかも、進学一本槍ではなく体育会や文化部での活動と両立させているのだから評価に値する。
今後も在校生へのご理解とご支援をお願い申しあげます。
報告事務局長代行 内田憲幸(10期)
「一高事務局長の急逝の五里霧中の状態から3年が経ちようやく事務局体制が確立しました。そろそろ若い人達に引き継ぎたいと思います。この会を切りまわしてみて一番強く感じますのは多くの協賛者の存在であります。総会には出席されずに快く協賛いただいている皆様のご厚志が近畿繊月会を維持していると言っても過言ではありません。協賛いただきました皆様に厚くお礼を申し上げます。お陰をもちまして経理も順調であります。」と報告し収支報告が了承されました。
第3部 懇親会
司会  細田尚子幹事(24期)
◎乾  杯:甲斐幹事長(2期)の音頭で乾杯、懇親会を開始。
◎土産贈呈:来賓と講師に記念品を贈呈
プレゼンター佐野すみ子(24期)浮田もりよ(28期)津幡千百合(29期)井上 弘美(32期)
◎自己紹介:卒業年次の若い方から卓ごと一人1分間で実施した。
◎大坂締め:廣田 稔監事(17期)が大阪締めで懇親会の中締めをする。
◎閉会の辞:馬場サト子副会長(14期)が閉会挨拶を行う。
以上で総会本番終了
◇番外1【酒迎え】  総会前日  20日
内田会長が伊丹空港にふるさと講話講師前田一洋氏夫妻を出迎えタクシーで天満の「大阪キャッスルホテル」に案内、チェックイン後小休止。
18時から近くの京阪ホテルに宿泊の鳥井本部会長、永濱本校副会長も合流してホテル3階にある「錦城閣」において18人で酒迎え会を開催、総会の手順等について相互に確認、21時閉会した。
◇番外2 【名残会】 総会翌日  22日
10時「大阪取引所」前に集合、五代友厚の銅像前で記念撮影し取引所2階の資料館を見学、五代友厚を筆頭名義人とする「大阪商工会議所発起人名簿」を見る。三井・住友・鴻池など戦前の財閥の名前があるのを見て感心する。銅像はもう見ているという人たちは11:50直接肥後橋の大同生命ビルに集合し、同ビル2階にあるNHK朝ドラ「あさがが来た」の主人公「あさ」が嫁いで活躍した「加島屋」の資料館を見学した。沢山の資料の中に新撰組近藤勇組長の400両の借用書の現物を目の当たりにし驚愕した。みっちり1時間説明員つきの見学終了後全員が「加島屋本家跡」の石碑の前で記念撮影をしました。
その後、土佐堀通りを淀屋橋まで歩き、大きくなりすぎて幕府にとり潰された大阪一の豪商「淀屋」の栄枯盛衰を偲びながら大阪市役所に行き地下2階食堂で各自好きな料理をてんでにお盆に取り昼食を済ませました。
昼食後、足に自信がない人は番場町の「大阪歴史資料館」の見学に赴き、本隊は地下鉄で「真田丸」ゆかりの場所の観光へと足を進めた。地下鉄「動物園前」で下車、まず真田幸村終焉の地と伝えられ記念碑が建てられている「安居神社」を見学、幸村が戦で傷つき疲れ果て寄りかかって休んだという今も残る松の木に往時を偲びました。
次に、「安居神社」向かいにある「一心寺」の境内にはいる。ここ「一心寺」は法然上人の開山、遺骨で阿弥陀仏を作る骨仏で有名なお寺です。この寺は宗派を問わず遺骨を受け入れてくれるので在日コリアンや跡継ぎがなく墓守がいない家のひとが納骨を頼むことが多いそうである。また、大坂夏の陣で討ち死にした徳川方の本多忠朝の墓もある。
茶臼山を左手に見ながらJR天王寺駅に向かう。茶臼山は冬の陣で徳川家康が本陣を置き、夏の陣では真田幸村が本陣を置いた場所である。
JRで玉造に行き「真田丸」があったと言う「三光神社」に向かう。幸村の銅像を見て「大坂城」に通じているという「抜け穴」を覗いたが穴の入口は金網が張ってあり中には入れない。
次に「心眼寺」に向かうのだが、陸軍墓地を抜けると近道になるのでその方法をとった。広大な墓地にはたくさんの墓があり、すでに朽ちかけたものもある。日清・日露の戦争や太平洋戦争で戦死した人たちの墓である。「心眼寺」の門前には「真田幸村 出丸城跡」の碑が立っている。ここに大阪冬の陣で真田幸村が徳川勢から守るための出城があったという。「心眼寺」は明星高校グランドの裏手にある。
この後、「鎌八幡」(大阪冬の陣のときに、真田幸村が戦勝祈願して神木に鎌を打ち込んだ所)に行く予定であったが、時間切れのため、「心眼寺」で解散した。
以上