季節は秋から晩秋へ。このころになると、人吉盆地はすっぽりと霧に包まれます。その霧の底から球磨川の瀬音が聞こえてきます。人吉温泉の各温泉場は、大部分が盆地の中央部を東西に流れる球磨川沿いに点在します。
発祥地は、温泉町湯の本とされています。「12代相良為続は1492年(室町時代の明応元年)正月、井口八幡宮に弓始めで参詣したあと、林村の湯楽寺で湯治した」との記録が残っています。
寺の所在地は不明ですが「湯の本地区にある相良三十三観音霊場の第8番札所である湯の元観音堂あたりでは」と言われています。
札所近くには温泉神社もあります。ここの温泉は「林温泉」とも呼ばれ、「翠嵐楼」と「たから湯」の2軒の温泉旅館が明治、大正時代から営業しています。
人吉温泉の発祥の地、温泉町にある湯の元観音堂の聖観音「たから湯」の成分表の適応症に「ヒステリー」とあります。主人の山本英一さんは「温泉にゆったり入ってリラックスすると、ヒステリーも起こりませんよ」と笑顔で話してくれました。
ここの温泉は、飲用すると胃腸に効くといいます。湯を容器に入れて持ち帰り、ご飯を炊いたり、球磨焼酎(じょうちゅう)のお湯割り用に使ったりする人もいるといいます。
|